ポーランドより、「ヨガ実践者の生活の質-ポーランドのヨガ人口を対象とした研究」
科学的論文は、何か疾患を持っている人を対象にヨガを行った場合の結果をデータとして発表するものがほとんどです。
中央ヨーロッパでは、補完的な方法の治療的使用とその有効性の科学的検証はごくわずかだそうです。
この研究は健康な300人の35歳ー50歳の成人を2つのグループに分け、ヨガを実践し、
身体的、心理的、社会的、環境的な領域におけるQOLを評価する26の質問調査票を提出したものを分析したものです。
研究グループはヨギー150人(ヨガ実践者)から成り、対照グループ150人はヨガをしたことがなかった成人で構成されています。
研究グループ(ヨガ実践者)の参加者のヨガ歴も、2年未満から10年以上と多岐にわたります。
対照グループ(ヨガ未経験者)は学校、教育機関、オフィス、医療施設などで募集し、前向きに参加する人を集めました。
細かな内容は論文を参照してください。
この研究の面白いポイントは、
①どの人も幅に差はあれ、QOL向上を感じられた
②長く実践している人ほど、身体的領域におけるQOL向上をより感じられている
③ヨガの先生も被験者に含まれるが、練習生よりもポジティブな指標が2倍近くあった
④アーサナがメインで行われても、心理的側面に多大な影響を与える
⑤総合的にQOLの向上は、短期的で集中的な活動より、長期的な行動と結びついていることが示唆された
つまりヨガの長期にわたる累積的な健康効果 、さらに波及的な行動効果が起こる傾向、を示しています。
結論として、「何世紀も続くヨガの実践は、ヨガの実践による健康増進の利益の可能性に影響するかもしれないというパタンジャリのテーゼを裏付けている 。」と締めくくっています。
ん?パタンジャリのスートラのゴールは解脱、、、とか難しいお話はまた次回として
先生になる必要はないとしても、ヨガを長く実践していくことで、八支則が自然と落ちてくる。そのことに大きな意味があると科学的に裏付けされた論文のご紹介でした。
ちなみに、プラティヤハーラより上の意識は持たなくても、QOLは自然と向上していくのだそうです。
それなら誰にでも実践しやすい証明にもなり得ますね。
体が硬くても、体力がなくても、肥満でも、高齢でもヨガはできる。
本当の向き合う問題はそこではない、ということです。
そして長く続けている人ほど、身体的領域の変化を感じやすい。それは繊細さを増していくということ。
自分に対する自信とともに、ヨガの定義に対しても自信を深めていくようです。
ポーランドで進化浸透してきたヨガは、ハタヨガのようです。
おそらく、欧米で行われている、ヨガフィットネスでしょう。
どんなヨガ実践者でも、ヨガに興味を持ち続けて経典にも目を向けておくと自然とQOLが向上していく。
八支則がアーサナとともに理解が深まるから。
ヨガフィットネスもただの体操ではないということです。
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