16日 日曜日 大会当日
朝3時に起床。
こんな時になぜか役に立つヨギーニ時間。
早朝が辛くない。
前夜は程よく眠れました。
朝は食べるのが苦手ですがそんなことは言っていられないので、
日焼け止めを3度塗りしながら味噌汁と米とバナナを口に運びます。
前日に作っておいたおにぎりなどの食料と、ストリートバッグ、バイクバッグ、タイヤの空気入れ、水、ボトル、ヘルメット、計測チップ、スリッパ、などなど忘れてはならないものを持って3:50には出発。
宿から歩いてバス乗り場へ向かい、4:20発のスイム会場palm cove行きに乗ります。
私はバスの中で二度寝しました。緊張感がないのが良いのか悪いのか。
会場到着時はまだ真っ暗でした。
すぐにバイクに向かい、色々最終セットして、もぐもぐ食べながらウエットスーツを着て、入水して水温チェック。
ハーフアイアンマンはフルより1時間ほど早い6:30スタート。
今日の海は凪。
風なし。うねりなし。
水温が27度以上だとウエットスーツは着用禁止ですが、今回は24、25度くらいだったのかな。
とにかく暖かい海。
最高のお天気の中、いよいよ始まりました。
スイム
朝日が昇る時間にスイムスタート。
雲1つなく晴れ渡る空。水面に光が反射して眩しいけれど、穏やかな海を広々と泳ぎ出しました。
なんとバトルがない。
日本の大会はみんなブイの近くの最短距離を泳ぎたがりますが、
ケアンズは皆さん結構大回りで誰ともぶつかることなく、うねりや潮に流されることもなく、
ただただ海を泳ぐということを堪能する時間でした。
海の中は見えませんでしたが、海水そのものは水色で綺麗。
ヘッドアップしやすく、あまり海を泳いでいる感覚がないくらい。
すっかり油断して大会だという意識はどこかへいき、
ただでさえ遅いスイムを優雅に泳いでしまいました。
こんなに穏やかな海の2kmは初めてでした。
ちなみに、ワニ注意の看板が出ていましたが、幸いお会いすることはありませんでした。
バイク
スイムアップしたらバイクです。
今回はウエットを脱いだら着替えなくて良いので、ここでハッと思い出します。
そうだ、今回はミドルだからスピードを上げなければ。
けれど足裏についた砂がなかなか取れない。
こういう小さい事をおざなりにすると、怪我につながるのです。
焦らず準備していたら、またトランジットに時間がかかってしまいました。
成長してません。
でも漕ぎ出したら、走ったことのない道を通るワクワクが止まりませんでした。
次の冒険・探検の始まりです。
事前に試走をすることのできない、高速道路を通行止めにしたルート。
ここはケアンズの地層や海岸線沿いの大自然が見渡せる壮大なコース。
今回はほぼ平坦と聞いていたので、私には不利かと思いきや、意外に前半はアップダウンがありました。
森の中の香り、マングローブの海岸、何千年分の剥き出しの地層
いろいろなものが目に飛び込んできます。
今、私はオーストラリアのケアンズにいるんだ。
そして急に幼い頃の遠足を思い出します。
今の日本は高温多湿ですが、私が小さい頃の9月の終わりか10月の気持ちの良い気候の記憶がフラッシュバックしてきました。
何も考えず、ただ今日が幸せだった日。
なぜかここで心の奥がじんわり温かくなります。
スタート時間が早かったので、日もまだ高くなく、暑くない。
よし、90kmしかないから足つかっちゃおうかな。
レースの展開は日本と同じ。バイクでどのくらいタイムを縮められるかです。
自分より体もマシンも大きな選手たちを抜いていく。
なんなら得意のアップダウンがあるうちに稼いでおかないと。
とここで、「このコースならTCR(自転車)ではなく、REACTOの方が良かったかも」
と思いました。
登りが少なく、タイムを追うなら自転車の特性も考えるべきだったかな。
TCRはDHバーが向いてない気がする。
そんなことを分析できるようになったんだなと嬉しくなったり。
ケアンズ大会のバイクパートで気をつけなければならない事は、
ドラフティング(自分の前を走る選手の後ろについて風よけにすること)はもちろん禁止で、
前の選手と12m間隔を空けなければいけません。
追い抜くのも25秒以内。
25秒以内に抜けなくてもペナルティ。
つまり、追い抜きに入ったら絶対抜き切らないといけません。
私にとっては、ミドルの距離なら大丈夫ですが、フルだとキツいルール。
バイク後半のルートは一般道の片道を自転車専用にして走るので、すぐ横を車が通ります。
渋滞しているエリアも多い。(ほとんど応援の人たちかな)
バイクを追い抜くには道が狭い。
なぜなら、選手は追い抜く時以外は、道の左端を走らなければないないのですが、
みんな夢中になると真ん中を走ってしまうのです。
「Pass on the right !」
聞こえるように大きな声をかけながら、気がついた人は左によってくれますが、
なかなか抜けずに我慢の時間となりました。
事故や怪我を避けるためにも、安全第一。
抜けなくても事故がなければそれでよしとします。
そして90kmは補給食のことをあまり考えなくても走れる距離なので
そんなにたくさん食べなくても、もしくは食べ損ねても大丈夫なのだと再確認しました。
ラン
あっという間にバイクが終わってしまい、ちょっと焦ります。
タイムが追いつけていない。
やはり90kmでは短かったか。
って私はどこを目指しているんだろう。
そう、エイジでどうにか上位に入れたらいいなとこっそり思っていました。
全然無理。
それなら無事に楽しくゴールを目指そう。
選手も応援の皆さんも、日本に比べて平均年齢が若く、選手の何倍も多くの人がランニングコース上にいたように感じました。
だからか、応援のエネルギーも高い。
小さな子は選手に手を差し出してタッチする応援がなんともオージー。
日本では見られない光景でした。
ちょうど一番暑い時間にランニング。
同じコースを二周回。
日差しから守りたい首の後ろにカバーがついているダサい帽子をかぶっている選手はほとんどいません。
いいの。私は頭皮も首も守りたいの。
あとで痛くならないんだから。
アームカバーだって外さない。
この上から水をかけると冷えて走りやすくなるもの。
色んな経験を積んだ年の功って怖い(笑
ゴール前でこの首後ろカバーとアームカバーを外すあたり、レースに集中し切れていない証拠です。
成長してません。
ランコースは椰子の木に守られて、日影が多くあり、本当に気持ちの良いランニングができました。
ハーバーでは高級レストランで食事をしている人の目の前のデッキを選手が走り抜けます。
20kmならもう水だけでいい。
シンプルに水を飲んで、少し塩を摂りながらゴールを目指します。
エイドステーションの間隔も絶妙なバランスで設置されていて、本当に助かりました。
2018年のアイアンマンセントレアより10分早くゴール。
もちろん、コースも天候もコンディションも違うので、なんとも比べようもありませんが、
成長せずとも体力は維持できているようです。
とにかく、今まで出場したトライアスロンレースの中で一番最高のお天気で楽しかったのは間違いない。
(バイクパートは佐渡のコースがナンバーワンですが)
さて、ここからが本番。
私がハーフアイアンマン(ミドル)に出たもう1つの理由。
それはサポートにも回れる体力を残せるから。
普段からフルアイアンマン(ロング)用の練習をしていると
ミドル大会は体へのダメージがほとんど残らないのです。
バイクと荷物バッグを引き取り、宿へ戻ってシャワーを浴び、サウナで整ったら、
フルの選手たちの応援へ向かいます。
ここから残りのハーフ完走と同じくらいの時間、応援とサポートに向かいます。
第4種目開始です。
サウナでオージーのおじいちゃんに
「そんな華奢じゃフルに出られないよ。もっとビルドアップしないとダメだよ。来年はフルに出な。フルアイアンマンは本物のアイアンマンだけど、ハーフアイアンマンはただのヒューマンだよ。ちゃんとトレーナーつけるんだよ。」
と言われて苦笑い。
私、人間なのでヒューマンでいいの。
確かにフルもいいけど、ハーフでもハーフの楽しみ方がある。
夜になってもみんなゴールをひたすら目指す。
選手として参加すると、各コースの身体面と肉体面の辛い場所や楽しい場所が分かっているので、応援をより楽しめちゃうのです。
むしろ、応援のほうが感動するかも。
しかもフル(ロング)の辛さもわかっているからこそ、声かけに熱がこもります。
そして応援中も世界中から集まった人たちと会話しながら、世界のトライアスロン情報を交換しあったりできるのも👍
5、6時間なんてあっという間に過ぎ、無事終了したのでした。
今回のハーフアイアンマンは、成績としてはあまり変わらないものの、日本の大会より順位は下がり、世界の壁の高さを感じました。
けれど今回も怪我も事故もなく無事に終わって本当に良かったです。
ただ、ミドルだとやっぱり何かが少し物足りない気がします。
それが距離なのか、しんどさなのか、緊張感なのか、よくわかりません。
翌日はヨガして荷物をパッキング。
帰国の準備をします。
そして車でコアラに会いに行き、ビーチヨガの売上を寄付してきました。
赤ちゃんを抱っこしながら寝てます。
尊い🥺
次はどこの大会に出ようかなと考えています。
大会が終わった次の日から、また毎日トレーニングの日々が始まります。
アビヤーサとヴァイラーギャ
トライアスロンにも活かせる教え。
歳をとると、実年齢に精神年齢がおいつかず、身体や顔ばかり老けていく人間がほとんど。
私は身体とともに心も成長していきたいです。フレッシュな気持ちを持ちながら。
長々と読んでくださってありがとうございました。
またヨガクラスまたはトライアスロン大会でお会いしましょう🙏✨
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