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祈りの始まり


私が初めて瞑想を教えて頂いたのは

小学校の朝の祈りの時間でした。

そこから高校卒業までの12年間、カトリックの学校に通っていました。

朝の祈りは瞑想の時間でした。

気持ちが穏やかになって落ち着いていく感覚。

あの時間は、心を育む大切な時間だったと

今になって噛み締めています。

それが、深い愛情のもとで人を育てるという学校の方針だったのでしょう。

「人を赦すということが一番難しい」

「愛がなければ愛を作ればよい」

私は宗教よりも哲学が好きなのですが

何かの経典や聖典をもとに、向かう道を指し示して育てていく教育はわかりやすくて本当に良かったと思っています。

そんな風に私を見守り、育てて下さった母校で、悲しい事件が起こりました。

事件当時は、私は山にこもっていて、世の中の情報と分断された状況にいた為、

昨日、初めて事件を知りました。

詳細を知ってから、眠れません。

人は優しいと同時に、とてつもなく恐ろしい。

わかっているようで、わかっていませんでした。

どれだけの方が、どれほど苦しんでいるかと思うと、震えが止まりません。

そしてそれをお互いが感じているということも、理解しています。

事件の詳細に関して記者会見をしていた先生方に、本当にお世話になりました。

私もバスを待つ時に誘導して頂きました。

たくさんの思い出があります。

「おはよう」「気をつけて」「おしゃべりしないで足元気をつけて」

いつも笑顔で私たちを暖かく迎えて下さった先生が、画面の向こうで記者会見をしている。

現実とは思えませんでした。

私たちを導いてくださった教え。

今をどうにか受け入れ、受け入れられない気持ちの中で祈り、憎しみの連鎖をどうにか断ち切る努力をするのだということを

卒業生が感じていることが、救いです。

学校が大切にしていた、一番伝えたかったことが、生徒たちに届いているのも、実感しています。

そして自分に何かできないか、どう手を差し伸べたらよいのか、各々が悶々としています。

医師、看護師、カウンセラー、セラピスト、私もヨガというものしか提供できませんが、

それぞれの専門で何かできたらと

必要とされたらいつでもと、私たち卒業生が心の準備ができているのも確かです。

どうにか、怒りや悲しみや恨みの連鎖を断ち切る為に、私たち卒業生ができることは、

混乱の中にある今は、静かに瞑想するところからかもしれません。

だからどうか、せめて先生や生徒、保護者の方々を静かに見守って欲しいと願っています。

そして被害に遭われたお嬢様、保護者の方のご冥福をお祈りします。

お怪我をされた生徒さんの1日も早い回復を願っています。

在校生や先生方、保護者の皆様の心の怪我にもケアが必要です。

苦しみのから平安が訪れるまでには時間がかかります。

だから祈りという形でお互いに寄り添って、支えあう時間をください。

「カリタス」とは、ラテン語で「愛」という意味です。

愛を教えて下さったのは、カリタスでもあります。

今日も、祈ります。


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