オーストラリアより、高齢者のQOL向上に関する論文です。
「高齢者」とは言っても、60歳以上の方をさします。
健康関連の生活の質(HRQOL)と精神的健康は健康な老化と関連しています。
体を動かすことは、HRQOLとメンタルヘルスの両方にプラスの影響を与えます。
ヨガは、高齢者のニーズに合わせて変更することができ、人気が高まっている身体活動でもあります。
この論文では、60歳以上の752人のHRQOLとメンタルヘルスに及ぼすヨガベースの運動の影響を調査しました。
結果、ヨガの介入は、60歳以上の人々のHRQOLとメンタルヘルスの両方で、中小の改善をもたらしました。
大きな改善はなかったものの、精神的幸福に影響が出ると結論づけています。
私も現在、病院でヨガクラスを開催させて頂いています。
来て下さる方はシニアの方が多いです。
ですので、ダイナミックなアーサナこそとりませんが、
呼吸や体の感覚に気持ちを向けながら、内側へアプローチしていくクラス作りを大切にしています。
そうしていくうちに、生活に足りていなかった筋力が少しづつついていく様子も拝見しています。
姿勢の改善や、声の出し方の変化、前向きな気持ちへの変化などのお声を頂いております。
現場で感じることは、ご高齢であっても、そうでなくても、続けることに意味があるということ。
膝や腰などに問題があると、自分がクラスの足をひっぱらないか、
みんなと同じことができないと恥ずかしいのではないか、
などと不安を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
大丈夫です。ヨガは、ご自分に集中して、ただただ今この瞬間に気持ちを向けるだけです。
そしてご家族との会話が増えたと言われる方も多い。
ヨガであんなことした、こんなことした、娘に服を買ってもらった、息子に褒められた、など、
ヨガというツールが大切な人との繋がりをあらためて結んでいるのだなと微笑ましく思っています。
もしかしたら、そんなお話をして下さっている皆様の笑顔が、私のQOL向上になっているのかも、なんて思います。