みなさんは、「アンスクーリング」という言葉をご存知でしょうか。
日本語では、「非学校教育」という意味になります。
私はこの1年、教育とはなんだろうと考える1年でした。
そしてこの本に出会いました。
私たちのほとんどが、家庭の外では、国家の決めた既存の教育システムの中で
一定の義務教育を受け、育ちます。
アンスクーリングは、現在のアメリカで賛否両論のムーブメントを巻き起こしている
子どもの育て方です。
アンスクーリングは、親が先生役を務め、教科書などを使用して学校教育と同じような勉強をするホームスクーリングとは違います。
子どもたちはアンスクーラーというコミュニティの中で生活し、学校教育に頼らず、自発的に学習して育てるという考えです。
大人が簡単に答えを渡すのではなく、子どもたちから自主的に、大人に何を手伝ってほしいのか考えさせ、言わせることを大切にしています。
評価のない自由の中で、子どもが自分の行動を通して成長するスタイルを大切にしているのです。
モンテッソリー教育やシュタイナー教育との違いは、子どもの自由な領域が事前に定義されているかどうかにあります。
面白いことに、アンスクーラーの子どもは、自分の第一志望のキャリアに進学しているそうです。
自分は何をしたいのか、どうしたら実現できるのか、子どもの頃からしっかりと学んでいるからです。
この第一志望のキャリアというのは、世間一般でいう一流会社とか、有名大学とかではありません。
自分が学びたい分野、やりたい仕事、を指します。
アンスクーラーは幼い頃から、自然と、「今、この瞬間を生きる」訓練をしてきています。
それは、将来のために勉強する、たくさん稼ぐために働く、というのではなく、
楽しいから学び、楽しいから働くことで、現在思考者 ナウイスト(nowist)になっているのです。
今を生きるだけ、好きなことをしているだけというのは、ただ漠然と何もしないのや、怠けるのとはもちろん異なります。
マインドフルネスと同じように、いまこの瞬間の自分に深く注意を向ける。そしていま(現実)をありのままに受け入れる。
そのことが、集中力や想像力を高め、必要なスキルが身に付いていくのです。
私自身、学校教育を否定するつもりは全然ありませんし、
賛否両論あっていい考えだと思っています。
時代は変わり、多様性や変化に適応する柔軟性を持つには、一律の教育システムの中では難しいかもしれません。
今に対する気付きを大切にすることで、自分を受け入れて生きていく。
何か私の中に通じるものを感じました。
私の好きなTEDでおなじみ、MITメディアラボの伊藤穣一さん著
「教養としてのテクノロジー」NHK出版新書
の一部に、少し詳しく載っています。
ご興味ある方はぜひ読んでみて下さい。