お勧めの本です。
これが、今まで読んだ本の中の、ベスト10入りするほど、とても面白い。
「熊楠の星の時間」 中沢新一 講談社
私は、西洋思想教育を受けながら、東洋の環境で育ちました。
そのため、神とは誰か、真理とは何か、様々な角度で物事を見る癖が自然とつきました。
この世界を、線や二者択一で捉えるのか、
それとも無か相まって存在すると捉えるのか、
生と死は、どこからきて何処へいくのか。
そして見つけた「物事の矛盾」「不思議」に対し、答えを探し続けて今に至ります。
ヨーガを好んで行じるのも、この理由が大きい。
けれども、ある1つの思想や現象や考えだけを観るのではなく、
マクロ的視点で捉えることの大切さが、大人になってわかるようになりました。
ミクロに継続して行動することが、マクロ視点を生む。
真理は、その先にあるのではないでしょうか。
もしも、私のような考えをお持ちの方がいらっしゃいましたら、
この本は本当にお勧めです。
内容は、興味の無い方には少し難しいかもしれませんので、
今日は熊楠先生の言葉の一部を抜粋して載せます。
「今日の科学は物不思議をばあらかた片づけ、その順序だけざっと立て並べ得たることと思う。
人は理由とか原理とかいう。しかし実際は原理にあらず。
不思議を解剖して現象団とせしまでなり。
心不思議は、心理学というものあれど、これは脳とか感覚器官とかを離れずに研究中ゆえ、
物不思議をはなれず。したがって、心ばかりの不思議の学というもの今はなし、またはいまだなし。」
(南方熊楠 土宜法竜 往復書簡 八坂書房)